あなたは、布団の中にクワガタがいる日常に堪えられますか?飼育者の事実を教えます。その前に、まず建前論です。
建前論【クワガタの養殖は儲かるチャンスは十分にある】
クワガタの繁殖は、ブームや流れとしてかなり上向きになっている傾向があります。理由は3つあります。
1つ目:飼育しやすい(他の生き物と比べて)
魚には水槽等の初期投資が必要で、犬や猫は寿命が長いので継続費用がかかりますが、昆虫は極論でいえば、虫かごとゼリーがあれば飼育出来るので、飼育難易度が他の種類に比べて低いと言えます。
2つ目:YouTube等ネット環境による情報収集のしやすさ、販売のしやすさ
虫系YouTuberがかなり有名になってきたおかげで、世間一般的にヘラクレスオオカブトやニジイロクワガタといったポピュラーな種類を知ってる人が増えてくれたので、ブームが来ているのではないかと考えてられます。またネットでも虫が購入できるので、その点も昔から比べて発展してきています。
3つ目:他の生き物ブーム衰退
最近では、愛玩動物の頂点に君臨していた熱帯魚・淡水魚・海水魚ブームが急激に衰退してきています。
関東最大級を誇っていたP.D熱帯魚センター(武蔵村山)や、かねだい横浜店、アクアフォレスト新宿等の、老舗名店がどんどん閉店していく流れになっています。
その点、昆虫は右肩上がりで輸入量が増えており、また昆虫ショップの数も少しずつですが増えています。
上記の理由から、繁殖の買い手・売り手が増えていますで、十分儲かる道はあると考えられます。
なんだか、AIから自動的に吐き出された答えの様です。全く面白くないし、真実を語っていません。
ここから真実を教えます。それでもあなたは付いてこれますか・・・
クワガタに儲けを求めて簡単に出来るような甘い世界ではありません。そこは変態の世界。手を出し始めたら、1年間付き合わなければならない、その覚悟が必要です。そして、その覚悟はクワガタを無条件で好きであるが求められます。単に儲かるという動機で始めると、やる事が多すぎて、地獄を見ることになるでしょう。
現に「儲ける」が昆虫飼育の1番の動機では無理があります。また「好きな事で結果的に儲けられたら良いよね」という簡単な世界ではありません。ただし、「儲ける」だけに振り切るのであれば、可能性はあると考えられます。
具体的には、種類を絞る・飼育用品を拘らない等です。クワガタで儲けている人たちは、その為に職業を変えたり、仕事終わりに寝ないで虫の世話をしているので、その領域にまで踏み込めるかどうか、という決断も必要です。そこには家族の理解も必要になりますし、現在の経済状況も影響します。副業でその状況を用意する事は難しいというのが、私の実感です。職業を変えれば家族が困り、寝ないでやれば労災に直結し本業に影響が出ます。
可能な限り儲けを出す(まだこの時点では、マイナスにならない程度)為には、種類を絞る事が重要です。サボっても育つカブトムシ・クワガタを飼育する事が選択肢の一つとなります。ですから、「クワガタが好きだから」という理由で好きなクワガタだけを飼育しているとビジネス化する事は難しいと言えます。これらの課題は解決がとても難儀です。クワガタが好きで飼育しているのに、好きなクワガタを好きなように飼育していては儲からないからです。クワガタが好きなのか?儲けが好きなのか?少なくとも、趣味でクワガタに触れていた時の様な感情は維持できなくなります。
では、どうすれば儲かるのか?
クワガタで儲けを出す為には下記を考えます。
1位:知名度
2位:価格
3位:飼育のしやすさ
知名度は、前文の通りヘラクレスやニジイロクワガタといった種類ですね。2位の価格についてですが、これは知名度が価格に大きな大きな影響を与えます。
ヘラクレスが良い例ですね。ヘラクレスペアは大きい物であれば何万円としますが、ヘラクレスオオカブトを飼育したい、という人たちの購買意欲を掻き立てるだけの形と知名度があります。昆虫に興味がない女性でもヘラクレスオオカブトは知っています。それはヘラクレスオオカブトは世界で一番大きい甲虫だからです。世界で一番大きいクワガタはギラファノコギリクワガタであり、この記事を読んでいる人には当たり前の話ですが、昆虫に興味がない女性はまずその名前を知りません。日本で一番高い山は富士山ですが、2番目に高い北岳を知っている人はかなり減ります。
3位は飼育のしやすさです。これは案外知名度に比例すると我々は理解しています。日本の気候で、どの家でもある程度育つという事は、みんな目にしやすい、維持しやすいという事に繋がります。
布団の中にクワガタがいる日常に堪えられますか?
布団に虫が入ってくる、はさすがに上級者でもなかなかいないと思いますが、飼育場所が限られていて、そのエリアで大量のクワガタを飼育している場合は、ミヤマクワガタがチクチクして目が覚めるという事が日常で起こりえます。他にもこんなことが起こります。
・ゴバエやゴキブリ大量発生(最初は嫌だったけどね。)
・ゴキブリが素手で触れる様になる(もう何とも思いません)
・ゼリーが腐る(数万個のゼリーが腐ると大変です。)
・エアコンの結露で壁がカビる(壁内結露で住宅がシロアリにやられる可能性UP)
・電気代、水道代がめちゃくちゃ高額になる(高機能高断熱の部屋があるならが別ですが・・・)
腐りにくいゼリーとそうでは無いゼリーがあります。しかし、はじめた頃はその様な知見はありませんから、価格で選んで失敗するという事は日常です。これは昆虫ビジネスではあるあるですね。最低でもこれらを覚悟出来なければ、長期間のクワガタブリードは無理です。カブトムシ・クワガタ以前に、虫全般が好きじゃないと様々なハプニングに耐えられません。
また先に述べた様に、飼育のしやすさと価格のバランスを見極める事も重要です。この記事にたどり着くくらいですから、羽化ズレなどの基本的な知識はあると思いますが、意外と分からないのが世間一般との感覚のズレです。クワガタマニアからすればニジイロクワガタは既に見慣れた、やや飽きた感のある昆虫ですが、子供たちには絶大な支持を誇ります。そして、飼育のしやすさ、繁殖のしやすさ、その期間などとてもバランスの取れたクワガタだと言えます。
クワガタを買う人は誰なのか?
問題はそのクワガタを誰に買ってもらうか?というポイントです。昆虫ショップに卸す、ヤフオクで売る、メルカリで売る、ネットショップを作る・・・この中で一番儲かる可能性が高いのはネットショップを作る事ですが、ネットショップに集客できる資金力や知見をあなたは持っていますか?多分持っていないと思います。そうなるとショップやオークションで販売する事になりますが、これはあまり儲かる方法とは言えません。何故ならそれらで昆虫を購入するのはあなたと同じ昆虫マニアだからです。相場観や厳しい目を持っています。
売り先はとても大事です。というか、売り先がすべてであると言っても過言ではありません。クワガタをただ愛でて楽しむ層に売るだけではまず儲かりません。その様な層はごく一部であり、どこの馬の骨かもわからないあなたからクワガタを買う事は無いでしょう。
さあ、これでもクワガタの養殖が儲かると思いますか?チャレンジしてみたい方は是非頑張ってください。
