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【昆虫ショップの裏側】マニアが集う『秘密の花園』と、知られざる「委託販売」のシステム

    こんにちは、カバロエチェルボです。

    皆さんは普段、カブトムシやクワガタをどこで見かけますか? 多くの方は、夏場のホームセンターのペットコーナーを思い浮かべるのではないでしょうか。

    しかし、我々のような昆虫マニアには、また別の行きつけがあります。 それが「昆虫専門店(昆虫ショップ)」です。 数は決して多くありませんが、日本各地に点在するそのお店は、マニアにとってまさに「秘密の花園」。今回は、そんな専門店の面白いシステムについて少しお話しします。

    マニアが育てた個体がお店に並ぶ「委託販売」

    昆虫ショップには、独自の特徴的なシステムがあります。それが「委託販売」です。 これは、マニア(ブリーダー)が自身で丹精込めてブリードした昆虫を、お店の棚を借りて販売するという仕組みです。

    楽器屋さんなどでも、個人のヴィンテージギターを委託でお店に置いてもらうことがありますよね。あれと同じシステムが、昆虫業界でも一般的におこなわれています。 お店側は品揃えが充実し、ブリーダー側は自分の育てた虫を見てもらえる。売れればお店に手数料を支払い、残りがブリーダーの収益になります。

    「暗黙の了解」が守る品質と相場

    委託販売の面白いところは、「価格は原則、ブリーダーが自由に設定できる」という点です。 しかし、ここにはマニアたちの間で共有されている「暗黙の了解(相場)」のようなものが存在します。

    例えば、人気のヘラクレスオオカブトのペアであれば、サイズや血統にもよりますが、だいたい2万〜3万円程度がひとつの目安でしょうか。 「自由に値段をつけられるなら、安くして売り切ればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、極端な価格破壊は起きにくいのです。それは、ブリーダーたちが自分たちの育てた虫の価値を理解し、お互いの努力を尊重しているからこそ成り立つ、健全なバランスなのかもしれません。

    趣味を続けるための「循環システム」

    なぜ、マニアたちは委託販売を利用するのか。 単にお小遣い稼ぎがしたいわけではありません。ここには、ブリードを長く続けるための「循環」があります。

    マニアといえど、資金が無尽蔵にあるわけではありません。 高品質なマット(土)、菌糸瓶、空調管理の電気代……良い個体を育てようとすればするほど、コストはかかります。 委託販売で得た収益は、そのまま「来期のブリードのための設備投資」に回るのです。「昆虫で儲けてやろう!」という考えはあまり成立しない業界です。それままた改めて・・・

    1. 良い虫を育てる
    2. ショップで評価され、買ってもらう
    3. その資金で、より良いエサや道具を買う
    4. さらに素晴らしい虫が育つ

    このサイクルが回っているからこそ、日本の昆虫ブリードのレベルはこれほど高く維持されているのですね。非常に合理的で、面白い仕組みだと思いませんか?これほどまでに昆虫マットが充実した国は日本くらいです。日本人のモラルの高さや、きめ細やかさがあるからこそ世界屈指の昆虫クオリティが保たれているわけです。

    一度は覗いてみてほしい「専門店の世界」

    ホームセンターで手軽に買うのも良いですが、もし近くに昆虫専門店があれば、勇気を出して一度足を運んでみてください。 そこには、マニアたちの情熱と技術の結晶が並んでいます。

    ホームセンターなどでは、下記の様なやや迫力に掛ける個体を見かける事があります。ホームセンターの生き物コーナーは様々な生物を扱っており、多様な知識が求められます。その中で、昆虫と言うのはあまり花形ではなく、詳しい人が少なかったりします。その為仕入個体の品質という面ではやや劣るというのがマニアのイメージです。

    下記はギラファノコギリクワガタですが、顎が未発達です。もう少し特徴が出てほしいところ。例えば初めてギラファノコギリクワガタを見る小学生は「こんなもんか・・・大したことないな・・・」となってしまうかも。

    話が脱線しましたが、我々はイベントでは、そんなマニアの矜持が詰まった素晴らしい個体たちをご紹介していきます。図鑑を超える感動を、ぜひ体験しに来てくださいね。

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