基本的に、一度飼育下においた昆虫は「最後まで責任を持って飼育する(終生飼育)」ことが大原則です。具体的な注意点は以下の通りです。
1. 違う地域への放虫は厳禁(遺伝子汚染の防止)
同じ日本産のカブトムシであっても、地域によって遺伝子レベルでわずかな違いがあります。例えば、東京で捕まえたカブトムシを埼玉の森に放すようなことをすると、その地域固有の遺伝子が混ざってしまい、「遺伝子汚染」と呼ばれる生態系の破壊につながります。
2. 外国産・購入した個体は絶対に逃がさない
ホームセンターやペットショップで購入したカブトムシや、外国産のカブトムシ(ヘラクレスオオカブトなど)は、日本の自然界には存在しない生き物です。これらを野外に放つことは、在来の昆虫の生息地を奪ったり、未知の病気や寄生虫を自然界に持ち込んだりする重大なリスクがあるため、絶対にやってはいけません。なお、現実には外国産昆虫は日本の冬を越せない為に自然繁殖は難しいと考えられていますが、放虫は禁止です。
3. 元の場所に返す場合も注意が必要
「捕まえたのと全く同じ森(ポイント)」に数日以内に返すのであれば問題ないとされることもありますが、長期間飼育したケースや、飼育下で繁殖(産卵・羽化)させた個体の場合は注意が必要です。飼育ケース内で発生したダニや病気を自然界に持ち出してしまう恐れがあるため、一度家庭で飼育・繁殖させたものは、元の場所であっても放虫せず最後まで飼い切ることが推奨されています。